音楽教室を始めるときに準備するもの
音楽教室を作る下準備
音楽教室は先生がいるだけではできませんよね、環境を整えてから募集をかけましょう。
事前に決めておくものは以下の5点です。
1.自宅を教室にするかスタジオを借りるか
2.対象者は子供か大人か、レベルはどれくらいにするか
3.料金設定
4.レッスン室を整える
5.タイムテーブルをつくる
自宅教室にするかスタジオでレッスンをするのか
まず、自宅とスタジオの違いを知り、メリットの多い方で行いましょう。
●自宅のメリットとデメリット
自宅でのレッスンの最大のメリットは初期資金がほとんどかからないことです。ご自宅にアコースティックのピアノがあり、レッスン室として使えるようであれば場所代などかからずレッスンを開始することができます。しかし、生徒が増えれば自分が練習していた時よりも長時間ピアノの音が鳴っているため家族や近隣の方の理解や、自分でとれる防音対策が必要になります。
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●レンタルスタジオのメリットとデメリット
自宅でのレッスンが難しい場合はレンタルスタジオを借りる方法があります。メリットは自宅の位置を特定されない、家族の理解があまり得られない場合でもレッスンができる。夜遅くまで音を出すことができるなどがあります。デメリットは生徒が楽譜を忘れたときにすぐ自分の楽譜を出してあげることや、渡しておいたスケジュールをなくしてしまったと言われたときにすぐにコピーして渡せるものなど急に何か必要になることを想定してスタジオに行くために荷物を沢山持っていくことがあります。また、場所によってはレンタル料金の設定が高い地域もありますので、レッスンしてもほとんど貸部屋代に消えてしまうのではもともこもありません。レッスン室は借りている時間の分だけ料金がかかる場合と毎週継続して借りて定期料金を支払う場合があります。楽器店などの防音室の貸し出しは借りている時間だけの料金ですむことも多いので生徒さんの数やレッスンの頻度が少ない場合には使えますが、その楽器店で音楽レッスンなどもしている場合はレッスンなどの商用利用は断られることがありますので事前に確認するようにしましょう。
対象は子供か大人か
募集する生徒さんの対象年齢を自分の教えられる範囲とジャンルで決めておきましょう。
1歳~5歳くらいの子供に対するレッスンは普通にピアノを弾かせるわけにはいきません。その子の年齢でできる範囲でのレッスンをしないと入会も難しく、やっと入ったと思ってもすぐに退会されてしまいます。1歳なら自分で歌ったりリズムをとったり楽器を弾いたりすることも難しいので保護者の方と一緒に音楽を楽しんでもらうレッスン、2歳なら身体を動かすリトミックのようなレッスン、3歳では歌を歌ったり鍵盤を触る導入、4歳くらいでようやく弾くというように段階があります。幼児教育に自身がない場合は低年齢層の募集は後回しにするのも1つの手です。
大人の方を対象に入れる場合はレッスン曲のレパートリーを広く用意するようにしましょう。子供と違って基礎ばかりのレッスンよりも自分が知っている曲を弾くためだけに通う方や、結婚式などのイベントのために短期間のレッスンを希望する方など目的がある場合も多いのでクラシック曲を楽譜道理にレッスンするだけでなくポピュラー音楽や演歌などを初心者でも簡単に弾けるようにアレンジしたり、コード進行を使った伴奏での弾き歌いができると強みになります。
料金設定
最初にしっかり料金を設定しておかないと生徒数が増えてきたときに非常に困ります。講師は時間を商品にしているので音を出せる時間や自分の稼動できる時間を明確にし、内容に見合ったレッスン料をいただきましょう。
悪い例) 30分個人レッスン 月額3000円
一般的に、レッスンをする時間帯は午前10時~9時ころまでレッスン室が使えたとしても生徒が来れる時間は学校や仕事が終わった17時~20時前後のため3時間程度しかありません。つまり個人レッスンのみで設定すると一日で見れる生徒さんは6人です。(午前中に来れる人や夜遅くを希望の方がいればもっと多く見れますが・・・)月~土までフルで生徒さんを入れても36人程度しか見ることができない計算です。月謝が3000円の場合、月給は108000円程度にしかならず教室の維持費などを差し引くと更に減ってしまいます。そして36人の生徒さんを募集開始1ヶ月で集めることは難しいです。かといって料金を高額設定しすぎると入会にしていただけなくなります。
●料金設定で気をつけるポイント
料金設定をするときには地域性やレベル、内容で見合ったものを考えましょう。同じ地域にあるお教室の料金には相場がありますのでチェックして「あの教室は高すぎる」と言われない料金設定にしましょう。また、初めてピアノを習う子供は安く設定をしましょう。教える側から考えれば子供に1から教えることは難しい曲を弾けて少しの注意だけですむ大人よりも難しいのですが、音楽がわからない子供の親からしてみれば「たかが子供のレッスンに大人と同じ料金なんてかかるわけがない」と考えてしまうものなのです。逆に、難しい曲が弾けるようになったから次のコースに進みますと言えば大抵の場合、納得して料金の値上げに応えてくれます。教本の買い替えやコンクールの出場などのタイミングで切り替えて稼動効率を上げましょう。
レッスン室を整える
ようやく料金やサービス内容の形が見えてきたら、レッスン室を整えましょう。通いたいという生徒さんがいてもすぐに来てもらえるレッスン室がないと体験レッスンや面談もできません。また、お問い合わせがってから用意して時間がかかってしまうと他のお教室に決められてしまいますので先にレッスン室を準備しましょう。
●もちろんグランドピアノが好ましい
言うまでもなく、メインの商売道具はピアノです。教室を開くなら必ずアコースティックのピアノです。アップライトでレッスンするなとは言いませんが、アップライトピアノで教えられるようなレッスンは正直残念です。その程度の先生なんだと言われても文句は言えません。本気でピアノの先生になりたいのならグランドピアノでレッスンをすることをおすすめします。
●ピアノの調律はこまめに
レッスンで使うピアノは個人で練習するだけのピアノより楽器への負担が大きいので調律はこまめに行いましょう。小さな子供のレッスンだからと調律をおざなりにすると子供の耳は非常に優れているので間違った音を身体で覚えてしまいます。個人で使っているときに1年に1回程度の調律ですんでいた調律も、ピッチがずれたらすぐに調律するか最低半年に1回調整してもらうようにしましょう。
●レッスン室はシンプルに
自宅をレッスン室にする場合、よく片付けをしてシンプルな部屋にしましょう。生徒さんが子供の場合はレッスン中に楽譜に集中しなくなってしまうことがあります。漫画や本、ぬいぐるみなどは極力部屋に置かず、レッスンで使用する楽譜、カレンダー、ペン、譜面台、時計など最低限のものだけ置くようにしましょう。
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タイムテーブルを作る
教室準備も最終段階です。自分のレッスン時間を明確にすることでお問い合わせがきたときに空いている時間帯をすぐ案内することができます。生徒さんが時間変更を希望してきた際にも役立ちますのでタイムテーブルを用意しておきましょう。
タイムテーブルに書くことは次の事項です。詳しくは別ページにて説明します。
●曜日、時間、生徒名、レベル